良い、悪いと好き、嫌いは違う

いい わるいと
好き 嫌いは違うよね


城島 洸一/湾岸ミッドナイト23巻P.105


はっとさせられた台詞だった。
いつの間にか、良いものが好き、悪いものは嫌いというような固定観念が自分の中にも世間的にも根付いていて、また他人もそのように思っていると思い込んでいた。


いやいや、しかしこれも良いと悪いの概念を個人的価値観に置き換えての良いか悪いかという判断と解釈すれば当たり前のことなのかもしれない。良く考えてみればわかることだ。我々はいつの間にか忘れてしまっている。


人にとっては悪いものでも、自分にとっては良いもので、だから好き。
しかし、個人的価値観で良いと判断して好きなものも、世間的価値観から見ると悪いと判断されることもある。いや、それが殆どではないだろうか。また、世間的価値観は時代や状況、環境によって左右されることが多く、その絶対さは脆弱過ぎる。


自分自身ではそんなに良いもの悪いものと思っていなくても、世間的価値観において悪いものとされているものを好きだという人が居たとする。
それを見た時、聞いた時に世間的に悪いとされている価値観が何故か優先され、それは世間的に悪いものだから皆嫌いだ、だからおかしい、というような思考に無意識になってしまっている気がする。
もちろん絶対的に悪いとされるものはある、犯罪や違法行為がそれだろう。


だが、先にも少し述べたが、良いもの悪いものと判断するのが個人でありその集大成が世間的価値観である以上、世間的価値観よりも個人的価値観で感じる良いもの悪いものという感じ方を大事にしなければならない。


まずは、誰かが悪いものを好きだからおかしい、のではなく、人が何かを好きであるからには何か理由がある、そして世間的には悪いものでも良いものだと感じられることが必ずあると、そう考えることから始めよう。