屁のつっぱりはいらんですよ

契約社員ではあるが就職も決まり、今日は企業に受けるよう指示されていた健康診断を受けてきた。


その帰り道、スーパーのテナントに入っている花屋のお気に入りのおネエちゃんを見る旅に出た。

すると、出入り口で明らかに車椅子になれてない老婦人が、ぎこちなく車椅子を動かしながら困っていた。

急ぐ旅でもなかったので少し迷ったあと、「何かお手伝いしましょうか」と声をかけた。すると老婦人は申し訳なさそうに「車椅子を押して頂けると嬉しいのだけど」というようなコトを仰った。普段、偽善的な行動はしなれていないので、緊張したいたのかよく覚えていない。

とりあえず快諾し、色々とお話をしながら買い物をお手伝いした。


買い物の会計を終えると老婦人は「こんなに良くして貰って申し訳ない」と、私に坊ちゃんの作者を手渡そうとした。だが、当然受け取れるはずもなく「屁のつっぱりはいらんですよ」などと気の利いたコトも言えず、「人が良い何かをして貰えるのは、ご婦人がこれまでに誰かに良いコトをしてあげていたからですよ」などと言って、元阪神タイガース下柳剛並みに粘り強い投球をする老婦人を、なんとか打ち崩すことに成功した。

往路はタクシーに乗り、車椅子はスーパーに置いてあるものを利用したとのことだった。どうりで車椅子をぎこちなく動かしていた訳だ。ただ店の入口にぼんっ、と車椅子を置いておくだけのスーパーもどうかと思った。車椅子置くなら、それを利用する人のコトも考えてちゃんと対応するコンシェルジュみたいな店員を責任持って用意しろよて感じだ。

そして、復路に関してはタクシーの手配をしていないとのコトだったので、携帯でタクシー会社の電話番号ググって電話して手配した。ありがとう携帯、これこそ素晴らしい使い方。
老婦人をタクシーに乗せ、見送りお別れと相成った。


こんなコトしたのは初めてだったけど、思ったのはご老人がたかが買い物のお手伝いくらいを「とても良くして貰った」と感じるこの国は腐ってるなって感じかな。日本国民もっと他人を思いやれよ、仕事に追いやられて心の余裕を無くすんじゃねーよ、ってね。
もちろん、その人それぞれの感覚やADLにもよるけど、なんか悲しいよねこんな国。


だがしかし皆さん、「やらない善より、やる偽善」です。