ナラシ
湾岸MIDNIGHTの登場人物、城島洸一が自動車について、新車の慣らし運転やパーツ交換時の慣らしについて発した言葉。
(ナラシを)やらなくても平気って奴多いよな
ま 人それぞれなワケだから別にいいけど…よーするにクルマという機械に対する
そいつの考え方なワケよ新車で買って車検までって奴はそこまでしか考えないし
20年乗り続けたいて奴は20年分考えるだろう
『湾岸MIDNIGHT』/楠みちはる 22巻 P.196より
車だけに思った話ではないんだけれど、これって日常生活で使うものや人間付き合いについても言えるなと思う。
例えば自分がボールペンを買う時、ずっと長く大切に使っていきたいなと思えばモンブランやウォーターマンなどメーカーをじっくり選びまた色もじっくり選ぶ、長く使っている自分を想像しながら。
しかし、ただ明日一日使えればいい、と考えればコンビニで100円ちょいくらいのモノを買う。
この人とずっとずっと長く付き合っていきたいと思えばその人との関係や付き合い方について何十年単位で考えるし、ただ職場が一緒、学校が一緒なだけで離れてしまえば交遊がいらないと思えば当たり障りなく、それなりに付き合うだけ。
漫画の作中で城島洸一はその直ぐ後にナラシは大事と思うとしたあとで次のようにも述べている。
たとえ新車でなくても
たったひとつでもパーツが換われば
機械である以上なじませるのが当然だろう
たとえ1年しか乗らなくても−それとナラシは
自分に対してでもあるよナ
新しいパーツの組まれた機械に
自分の体をなじませてゆく新しい機械との距離は
ていねいに ていねいに
ツメていくんだ
『湾岸MIDNIGHT』/楠みちはる 22巻 P.196より
この言葉が機械のナラシに対してだけでなく、まるで新しい人間関係や新しい環境へ、自分を新しいパーツとしてフィットさせていく時にも大切なことなのだと言っているように聞こえる。